ハヌマーン

定義

ハヌマーン(हनुमान् Hanumān)とは、インドの古代叙事詩『ラーマーヤナ』などに登場する、神聖なサル(ヴァーナラ)の姿をしたヒンドゥー教の神様です。風神ヴァーユの息子とされ、類まれな強さと知性、そして主人公のラーマ王子への絶対的な忠誠心があります。

ハヌマーン立像出典:Metropolitan Museum所蔵 / CC BY 3.0

解説

ヒンドゥー教においてハヌマーンは、「力」「勇気」「献身(バクティ)」の象徴として非常に絶大な人気を誇る存在です。
『ラーマーヤナ』の中では、魔王ラーヴァナにさらわれたラーマ王子の妻シータを救出するため、インドから海をひと跳びで渡るなどの数々の大活躍を見せます。その姿から、困難に立ち向かう強さや、私心のない奉仕の精神を体現するヒーローとして現代でも広く信仰されています。


​語源

サンスクリット語で「ハヌ(hanu)」は「あご」、「マン(man または mant)」は「〜を持つ」「傷ついた」という意味を持ちます。神話の中で、幼少期のハヌマーンが太陽を果物と勘違いして飛びつき、神々の王インドラの雷(ヴァジュラ)に撃たれて「あごを負傷した」というエピソードに由来し、「あごの変形した者(またはあごに特徴のある者)」という意味の名称になりました。


英語表記

ハヌマーンは通常Hanumanと英語では表記されます。IASTではHanumānと表記されます。


ヨーガとの関係

ヨーガの伝統や実践において、ハヌマーンは非常に深い関わりを持っています。

  • プラーナ(生命エネルギー)の象徴: 風神(ヴァーユ)の息子である彼は、体内の生命エネルギーである「プラーナ」や、それをコントロールする力そのものを象徴しています。
  • ハヌマーナーサナ(猿のポーズ): ヨガの上級ポーズである前後開脚のポーズ(ハヌマーナーサナ)は、ハヌマーンがインドから海を越えてランカ島へ大ジャンプしたときの姿に由来しています。肉体的な柔軟性だけでなく、困難な挑戦を成し遂げる強い意志を表しています。

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