定義
ヨーガ・スートラ 1.4 は、心のはたらきが鎮まって(停止して)いないときの状態を述べる一節です。
原文
वृत्तिसारूप्यमितरत्र
vṛtti-sārūpyam itaratra
ヴリッティ・サールーピヤム・イタラトラ
逐語分解
- ヴリッティ(vṛtti/वृत्ति) : 心のはたらき
- サールーピヤ(sārūpya/सारूप्य) : 同じすがたをとること、同化
- イタラトラ(itaratra/इतरत्र) : それ以外のときには
和訳
それ以外のときには、[見る者は]心のはたらきと同じ姿をとる。
解説
1.3 の裏返しです。心が鎮まっていないとき、見る者は自らを心のはたらきと取り違える。
怒りが起これば「私は怒っている」、悲しみが起これば「私は悲しい」、本来は見ている側であるはずのものが、見られている波と一体化してしまう。
サールーピヤ(同じすがたをとること)という語が的確です。見る者が変質するのではなく、あたかも同じ形をとったかのように見えるだけ。だからこそ、心が鎮まれば本来のすがたが「戻る」のです(1.3)。
1.2〜1.4 の三節で、ヨーガの定義・その帰結・その反対の状態が出そろいます。
ここまでが、この書の骨格です。
関連するスートラ
- YS 1.3 : 対になる一節
- YS 1.2 : 定義
🔗リンク
サールーピヤ(sārūpya/सारूप्य)
アヴィディヤー(avidyā/अविद्या)