定義
ヨーガ・スートラ 1.6 は、心のはたらき五種の名を列挙する一節です。
原文
प्रमाणविपर्ययविकल्पनिद्रास्मृतयः
pramāṇa-viparyaya-vikalpa-nidrā-smṛtayaḥ
プラマーナ・ヴィパリヤヤ・ヴィカルパ・ニドラー・スムリタヤハ
逐語分解
- プラマーナ(pramāṇa/प्रमाण) : 正しい認識
- ヴィパリヤヤ(viparyaya/विपर्यय) : 誤った認識(逆の認識)
- ヴィカルパ(vikalpa/विकल्प) : 想像、言葉だけの観念
- ニドラー(nidrā/निद्रा) : 眠り
- スムリティ(smṛti/स्मृति) : 記憶 ※文中は複数主格 smṛtayaḥ
和訳
[五種とは]正しい認識、誤った(逆の)認識、想像、眠り、記憶である。
解説
この一節は名を挙げるだけで、中身の説明はありません。
定義は次節から一つずつ与えられます。1.7 プラマーナ、1.8 ヴィパリヤヤ、1.9 ヴィカルパ、1.10 ニドラー、1.11 スムリティ。
列挙してから順に定義するという、スートラ文献に典型的な構成です。
五種の並びには意味があります。認識に関わる三つ(正・誤・想像)が先に来て、そのあとに眠りと記憶が続きます。とりわけ眠りが心のはたらきに数えられていることは重要で、「何も認識していない状態」もまた一つのヴリッティだと見なされます(→ 1.10)。
関連するスートラ
- YS 1.7〜1.11 : 五種それぞれの定義
- YS 1.5 : 五種であることの宣言
🔗リンク
プラマーナ(pramāṇa/प्रमाण)
ヴィパリヤヤ(viparyaya/विपर्यय)
ヴィカルパ(vikalpa/विकल्प)
ニドラー(nidrā/निद्रा)
スムリティ(smṛti/स्मृति)